ストレッチトレーナーの役割とは
前置きが長くなりましたが、このように私は実体験としてストレッチの有用性を強く体感してきました。ここからは、本題であるストレッチトレーナーの役割について考察していきます。
ストレッチトレーナーという職業は、健康とフィットネス・ウェルネス業界で急速に重要性を増している分野です。
具体的な数字としては、2023年4月時点で大手3社ストレッチ専門店の店舗数は昨年比12~45%増加。弊社Personal training studio Buddyでも、ストレッチセッションを希望するクライアントの数が2022年度は昨年比で約40%増加しています。
ストレッチトレーナーの役割は、クライアントの健康と運動能力を向上させるだけでなく、日常生活の質を高める点や、肉体的のみならず精神的な健康を促進する点でも貢献していると考えています。
では、具体的にどのようなことを担い、どのような考え方が求められるのでしょうか?
パートナーストレッチは、クライアントに対しマンツーマンで行うサービスです。よって、必要な考え方や技術は多岐に渡りますが、その中でも特に重要な「3つの要素」を説明します。
必要な要素①「パートナーストレッチの技術」
これは当然と言えば当然なのですが、この当然とも言えるストレッチ技術を満足に持ち得ていないトレーナーが残念ながら多く存在します。その理由は、体系立てられたストレッチ技術を学ぶ場が不十分であるためです。
ストレッチに限らず、何となくの技術や知識でクライアントとセッションを行うパーソナルトレーナーが多い現状。しかし、解剖学の専門家ではないクライアントはその技術の是非を判断することができません。
よって、この何となくでもセッションが成り立ってしまう構図が生まれてしまっているのです。
明確に定義された技術を持ってクライアントへストレッチを行うこと。それが本当の意味でのパートナーストレッチの技術を保有していると言えます。
FFPストレッチトレーナー資格では、各ストレッチ技術での細かいポイントや留意事項などを明確にした上で技術を学ぶことを大切にしています。
必要な要素②「オーダーメイドで最適な改善方針を提案する力」
クライアントの主訴や目的に対し、定型的にならずオーダーメイドで最適な施術メニューを提案することが重要です。人の身体は千差万別、一人として同じ人はいません。腰痛と一言で言っても、腰背部なのか仙腸部なのか、左右差はあるのか、など細かく分析すると多様なケースに分類できます。
そして、そのケースに応じ最適な施術メニューを考案し、単なる一時しのぎにならず根本的に腰痛除去を実現するプランを検討する力が求められます。
もちろん、クライアントのお身体を一目見ただけでその改善方針がわかるほど単純な話ではありません。
クライアントとコミュニケーションを取りながら、施術を進める中で仮説と検証を繰り返していくのです。
- なぜ当該部位をストレッチするのか?
- なぜこのような症状が出てしまっているのか?
- 根本原因はどこにあるのか?
これらを見極める力は、ストレッチトレーナーとして必要かつクライアントへ高い質のサービスを届けるために重要な要素です。
必要な要素③「コミュニケーション力」
この力はパーソナルトレーナーに限らず、ほぼ全ての分野の仕事において重要と言っても過言ではないかもしれません。ただ、ここで言うコミュニケーション力とは、単にクライアントとの応対を丁寧に行うというだけに当然留まりません。
クライアントによっては、身体の知識を細かく教えて欲しいという方や改善の方向性を相談しながら決めたいという方、完全にトレーナーにお任せという方、生活サイクルが一般とは異なりそれを踏まえた改善プランでなければ現実的ではない方、様々です。
そして、当然性格や価値観も異なるため、その点も加味した上でのプランニングをしなければ、クライアントとの信頼関係は構築できません。
パートナーストレッチは実際にクライアントのお身体を触診し施術を行うので、信頼関係なくしては質の高いストレッチを届けることはできないのです。
少し抽象的になってしまいましたが、クライアントに応じたコミュニケーション方法を使い分けること、これもストレッチトレーナーとして重要な要素です。
こういった実践的なコミュニケーションスキルも、FFPストレッチトレーナー資格では研修でお伝えしています。